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2025.10.03犬や猫の誤食・誤飲とは?誤食の代表的な症状や緊急時の対処法について

犬や猫の誤食・誤飲は、飼い主様にとってびっくりする出来事ですよね。

「何を飲み込んだか」「どのくらいの量なのか」などで深刻度も違いますが、時間が経過すると悪化するケースも多いです。飲み込んだ物によっては早めの処置が必要で、「命の危機が迫っている」という可能性もあります。

今回は、犬や猫の誤食・誤飲について、飼い主さんが知っておくべき基礎ポイントをはじめ、緊急時の対処法、予防策などを詳しくお伝えしていきます。

犬や猫の誤食・誤飲とは?飼い主が理解すべき基礎知識

はじめに、犬や猫の誤食・誤飲について基礎知識として知っておくべき点をご紹介します。

誤食と誤飲、どう違う?

ペット達の「誤食」は、本来食べるべきでない食材や、食べると有害な物を“誤って食べること”です。

「犬・猫の体」と「人間の体」には違う点が多く、人にとって美味しく健康的な食材も、犬・猫にとっては大きな害となるものも少なくありません。

一方、「誤飲」は、食材ではない物(布、紐、タバコ、画鋲、ボタンなど)を“誤って飲むこと”です。

犬や猫はなぜ誤食・誤飲をするの?

犬や猫は興味のあるものを口に入れて確認する習性があるため、誤食・誤飲はよくあります。

特に、
・好奇心が旺盛な時期(子犬・子猫)
・食欲が旺盛な性格の犬・猫
は誤食・誤飲をする確率も高いでしょう。

また、犬や猫は本能的に自分の物を守ろうとする性質があります。そのため、口に入れて確認中、「誤食をしているのでは…!」と慌てた飼い主様が口を開けようとすると、「渡してなるものか」と飲み込んでしまうケースもあります。

犬猫の場合、言葉で「危険だから食べてはいけない」と教えても100%の理解が難しく、飼い主様側で誤食・誤飲を防ぐ対策が欠かせません。

誤食で見せる症状とは

中毒以外での誤食の代表的な症状は嘔吐や下痢で、消化器系に問題が起こっている可能性が高いです。

・腹痛をともなっている(うずくまるなど)
・食欲が低下している
・よだれをたらす
なども誤食の影響かもしれません。

普段の様子を十分に観察することで、異変に気付きやすくなります。

また、異物の種類によっても症状が異なり、食べ物を誤って食べたときは異常がそれほど見られないことも多いです。もしかしたら、軽い症状に見えるかもしれません。

一方、プラスチックや竹串、金属といった食べ物ではない物質を飲み込んだ場合、穿孔(臓器に穴があく)を引き起こすことがあります。

犬や猫が誤食しやすいもの

私たちの周りには、犬や猫が誤食しやすい物が溢れています。犬や猫が誤食する可能性があるものを知っておくことが大事です。

犬や猫にとってNGな食べ物

・チョコレート
犬や猫にとってチョコレートは害があり、カカオ含有量が多いほど中毒症状が重くなりやすいです。

軽度では嘔吐、下痢などが起こり、重度になると痙攣や心臓発作など死のリスクもあります。

・キシリトール
人間のお菓子(ガム、飴など)に含まれるキシリトールも犬・猫には害がある成分です。

嘔吐や脱力感で元気がなくなるほか、ひどければ低血糖や肝機能障害、致命的な重度の症状を起こす可能性もあります。

・ネギ類(玉ねぎ、長ネギなど)
ネギ類は、犬や猫にとって危険な食材の代表格です。ネギ類に含まれる特定の成分が赤血球を破壊し、重度の貧血を起こします。乾燥ネギや、ネギが入った食べ物にも注意が必要です。

めまいや意識障害、下痢、嘔吐のほか、食べた量が多ければ死に至る可能性もあります。

・ぶどうやレーズン
ぶどう類を誤食すると、少量でも嘔吐や下痢、震えなどを引き起こすことが多いです。急性腎障害も起こす可能性があります。

ペットシーツ

ペットシーツもペットが誤って食べるケースが多いです。飲み込む量によっては窒息や腸閉塞を起こすリスクがあります。

おもちゃや日用品

紐や糸、綿などが使われているおもちゃは、噛みながら遊ぶうちに、ほつれてきた布地を飲み込むケースも多いです。食材ではないため消化せず、腸に詰まるリスクが高まります。

また、
・ヘアゴムやヘアピン
・消しゴム
・鉛筆
・ビニール袋
など犬や猫が誤食すると危険なものは日常的に多く注意が必要です。

ゴミ箱の中にあるもの

腐敗した生ゴミを誤食すると、食中毒のリスクが高まります。

また、竹串(焼き鳥などに使われているもの)や爪楊枝、魚の骨、ペットボトルのキャップ、画鋲、ボタン、使用済みのマスク・湿布など、“ゴミ箱”には犬や猫が飲み込むと危ない物ばかり入っています。

特に、尖ったものは器官や臓器を傷つけ、すぐにでも手術をしなければならないケースも多いので注意が必要です。

タバコ、人間の薬、ボタン電池、殺虫剤、乾燥剤など

テーブルの上に無造作に置きがちなさまざまなものを誤飲することがあります。

・タバコ
・人間の薬
・ボタン電池
・乾燥剤(お菓子などの袋に入っている)
・殺虫剤
などには注意が必要です。

たとえ微量と思える量でも、体の小さな犬・猫にとっては致死量となるケースも少なくありません。

【緊急時の対処法】ペットが誤食・誤飲したら飼い主が取るべき行動

ペットが誤食・誤飲をしたところを目撃、あるいは噛みちぎった残骸を発見し「飲み込んだ」と分かると飼い主さんは慌てます。

でも、冷静な対応こそが、犬や猫の命を守ることのカギにもなります。

自己判断で処置をしない

最も大事なことは、落ち着いて対応することです。

とにかく吐かせようと、
・犬や猫の口にいきなり手をつっこむ
・大量の水や牛乳を飲ませる
・お腹を強く押す
・背中を強く叩く
などの自己流の処置は大変危険なのでやめましょう。

飲み込んだものによっては、食道を傷つけるリスク、逆流するときに窒息するリスクなどがあるからです。吐かせたいという思いから取った飼い主さんの行動は、余計に犬・猫を命の危機にさらすことがあります。

飼い主さんが慌てると、犬や猫も動揺して「鳴く」「動く」「暴れる」などで状況が急変することもあるため注意しましょう。

無理に動かさず、落ち着かせることが大事です。

誤食・誤飲の状況を落ち着いてチェック

誤食・誤飲をした犬や猫は、
・ぐったりしていて元気がない
・嘔吐を繰り返している
・痙攣している
・呼吸が苦しそう
といったさまざまな症状を見せるかもしれません。

一方で、誤食・誤飲したはずなのに元気なケースもあります。

実は、誤食しても症状が出るまで数時間以上もかかる可能性もあり、一見、無症状に見えることもあります。

「どんなもの・どのくらい・いつ」など、飲み込んだものや経緯を整理しましょう。

また、“少量だから大丈夫だろう”という考えは危険です。犬や猫の体は小さいので、人間にとって少量に思えるものでも、実は大きなダメージとなる可能性があります。

動物病院に連絡して獣医師からの指示をもらう

できるだけ早く、動物病院に連絡して獣医師からの指示をもらいましょう。

犬の誤食・誤飲が夜間の場合、「動物病院の営業時間外だから」と翌日まで様子を見ようとする方もいます。夜間の時間帯はどうしたらいいか分からなくなりますよね。

深夜に対応してくれる救急動物病院に連絡し、対応してもらうことが大事です。誤食した内容にもよりますが、翌日まで待つことが命取りになることも少なくありません。

特に、人間の薬や毒性のあるものを飲み込んだ場合、緊急性が高いです。“すぐにでも”動物病院に連絡を取ることが愛犬・愛猫の命を守ることにつながります。

【治療の流れ】犬や猫が誤食・誤飲で病院を受診した場合の診療内容

犬や猫の誤食・誤飲で動物病院を受診したとき、どんな診療が行われるのでしょうか。

催吐処置

飼い主様からの問診により「吐かせた方がよいもの」「吐く確率が高い」と獣医師が判断した場合には、催吐処置が行われます。

画像診断や血液検査で誤食した物を確認できることもあります。

ペットの性格などにもよりますが、犬は猫よりも吐かせやすい傾向です。

一方、猫は吐かせにくく処置が難しいケースが多く見られます。

内視鏡や緊急手術

尖ったものなど、無理に吐かせることが危険な場合、内視鏡で取り除くことがあります。ただ、すでに胃や十二指腸よりも先に流れてしまうと内視鏡での対応ができません。緊急で開腹手術を行うこともあります。

愛犬・愛猫の誤食事故を事前に予防!家庭で簡単に実践できる安全対策

犬や猫の誤食・誤飲は迅速に対応しないと命の危機につながります。そこで、日ごろからペットの飼育環境に「危険なものを置かない・遠ざける」とすることでだいぶリスクを減らせます。

愛犬や愛猫の近くからリスクのあるものを離す

人間との暮らしには誤食・誤飲のリスクの高いものが多いため、犬や猫が暮らす範囲内から遠ざけることが大切です。

特に、テーブルやキッチンまわりなどは、危険なものを出しっぱなしにするのはやめましょう。

ゴミ箱は“蓋つき”に

犬や猫がゴミ箱内に入っているものを食べることがあります。腐った食べ物は食中毒を起こす可能性がありますし、とにかく危険です。

犬や猫が簡単に開けられないように、蓋のついたゴミ箱を活用しましょう。

おねだりされても簡単に人間の食べ物を与えない
可愛いペットからのおねだりで人間の食べ物をあげる方もいますが、これもリスクのある行動です。うっかりあげたもので愛犬・愛猫が苦しむことのないように、「ペットにNGな食材」を理解しておきましょう。

安全なおもちゃで遊ばせる

噛みながら壊れてそのまま飲み込むリスクがあります。小さい部品や危険な素材が使われたおもちゃは与えないようにしましょう。

観葉植物にも注意

観葉植物のなかには、犬や猫にとって有害なものも多いです。お部屋のインテリアとして飾るときは、犬や猫に害がないかきちんと確認しましょう。

しつけを行う

誤食のリスクを減らすために、しつけを徹底するのも対策のひとつです。好奇心旺盛でやんちゃな子の場合、おもちゃや日用品を破壊して飲み込むこともあります。

危険な行動をしたときに、飼い主さんの指示に従えるようにしつけで行動管理を行うことも大切です。

誤食後の愛犬、愛猫のケアはどうする?回復した後も気をつけたい健康管理

誤食をして処置をした後、どのようなケアが必要なのでしょうか。誤食の“その後”について必要なポイントをご紹介します。

適切な食事管理を行う

いったん誤食をした犬や猫は、消化器官をはじめ、体全体に負担がかかっています。治療が終わったからといって体調がすぐに回復するわけではありません。

主治医の治療方針により適切な食事管理を行うことが大事です。

再発防止に向けた対策を

言葉の分からない犬や猫にとって、誤食で辛い状況に陥っても「誤食が原因だ」とは分かりません。興味をそそる物体を見つけると、また口に入れてしまうかもしれません。

再発防止のため、飼い主さんが愛犬・愛猫の生活環境を管理しましょう。

特に、猫の場合、棚やキッチンなどがあれば、人間よりも高い位置にも上れます。誤食・誤飲を防ぐには、広範囲にわたって対策をしておきましょう。

まとめ

人間にとっては「食べてはいけないもの」も、犬・猫にしてみると興味の対象であり口に入れることが多々あります。誤食・誤飲をした犬や猫に対し、飼い主様が自己流で吐かせることは危険なので注意しましょう。

誤食・誤飲の可能性があるときは、早めに動物病院に連絡し、獣医師の指示をもらうことが大切です。

夜間に誤食・誤飲が起こると翌日まで待つ方もいますが、飲み込んだものによっては早急に対応すべきことも多いです。

当院は、東京・横浜・川崎・千葉の京浜エリアで深夜のペット診療(夜間動物病院)を行っています。犬や猫の誤食で受診をご希望の場合は、お電話でご予約のうえご来院ください。



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